ガンバ大阪の新スタジアム建設が決まるまでの紆余曲折まとめ。

2011年12月26日、吹田市議会において「負担付き寄附の受納について」という議案が可決され、ガンバ大阪の新しいホームとなる新スタジアムが正式に吹田市に採納されることとなった。これで新スタジアム完成に向けてようやくゴーサインが出たわけだ。本当に長かった。何度も諦めかけたけど信じ続けて良かった。

で、この正式決定までの紆余曲折をまとめたものがどこかにないかと探したんだけれども、僕の狭い観測範囲では見つからなかった。じゃあないなら自分で作ってみようということでまとめてみた。
長いです。



まず、僕の知る範囲でガンバ大阪がクラブとして公式に新スタジアムについて発言したのは、社長が今の金森さんの2代前の、まだ乾さんだった頃だと記憶する。
乾社長(当時)はサカマガかサカダイかのインタビューで記者の質問に答える形で「新スタジアムが必要だと考えています」的な内容のことを言っていた。でもそれは、考えてなくはない、いつかできればいいな、程度のものだったと思う。それぐらいのニュアンス。読んでる方としても弱っちいガンバに専スタなんて、できたらいいけどまぁ夢物語だよな、という感覚。

そんな中、あれはいつだったか忘れたけれどもスポーツ新聞に高槻の京大農場跡地に新スタジアムの建設計画が!みたいな記事が出たわけだ。
この頃はまだまだウブで、「マジでー!」と思いながら「うっひょおおー!」と踊ってた。無邪気に。新品のダンスシューズで。あんまり疑うってことを知らなかったし。
しかしその後、この新スタジアム計画はまったく進展することなく時間だけが流れる。予定地と報道された農場跡地から発掘調査で何かが出土したらしいとか、高槻市長がウンタラカンタラとか。


そんな中、2008年4月、ガンバ大阪の新しい社長として金森喜久男がやってきた。

強いチーム、高度なサービスが要求される中、やはり『観客の皆さんにガンバのサッカーを観て頂ける舞台』を作らなければならないと思います。そのために僕はガンバに来たと思っています。それが僕の使命だと感じていますので、まだ不慣れな私ですが、皆さんとそして監督と心を合わせて、取り組んでいきたいと思っています。

リーグ優勝も果たしたクラブが次のステージへ進むため、すなわち新しいスタジアムを建設するためにPanasonicから特命を受けてやって来た人物ということなのだろう。実際このあたりから新スタジアムにまつわる動きが活発になり始める…。


■2008年

まず2008年当時の状況。
橋下大阪府知事(当時)と、阪口吹田市長(当時)の対談の中でこういう話が出る。

市長:それと今エキスポランドが休園している。エキスポランド活性化のために同じ記念公園内なので、ガンバ大阪のサッカー専用スタジアムをエキスポの中に新しくおきたい。ガンバの会社もなんとか自前で作りたいといっている。今までは行政にして欲しいばかりだった。そうなれば全体がよくなるのではないかと思う。エキスポランドも今のままではお客さんが逃げて、来年オープンしても心配。ガンバスタジアム、これには万博記念機構の理解が必要。ここには大阪府の職員もたくさんいっておられる。知事も一つお力になっていただきたい。

知事:大阪が盛り上がるのであれば。

それまでは行政に何かやってもらおうというか、自ら積極的に動いていなかったクラブが吹田市大阪府に対してアクションを起こし、その結果こうしてこの対談の中でこういった話が出てきたわけだ。
まぁ動いてなかったというよりもそれにふさわしい時季がそれまで訪れなかったということなのだけども。
ということでガンバ始まったなと。時は満ちたなと。そんなことを思った。

そうした中で2008年7月18日、あの読売新聞の朝刊1面のスッパ抜きが来る。

 サッカーJリーグ1部(J1)のガンバ大阪(G大阪)が、休園中の遊園地「エキスポランド」(大阪府吹田市)内を最有力候補に、サッカー専用スタジアムを建設する方針を固めたことが17日、わかった。Jリーグでは自治体建設のスタジアムが大半を占める中、建設費130億〜150億円は、地元企業やサポーターらに出資を募る方法を検討。新たな「地域密着型スタジアム」として2011年の完成を目指す。


そしてオフィシャルからもリリース。

今年よりこの「新スタジアム」建設を最重要課題として、地域行政に頼る形ではなく、ガンバ大阪が建設への更なる前進を進めるべく調整・検討をしております。

ここで初めてスタジアム建設計画の具体的な内容が出た。これには沸いたなw

「2011年の完成を目指す」(どーん)

すごいな。
あの朝の喜びを今でも覚えてる。嬉しくて踊りまくった。
まぁこのスッパ抜きのおかげで計画がこじれてしまった面もあったそうだけども。

でもここからがまた難航する。
大阪府は協議に前向きな姿勢を見せてくれてくれるのだが、建設予定地とされているのは万博公園内だ。関わってくるのは大阪府吹田市だけでなく独立行政法人日本万国博覧会記念機構

万博記念機構といえば今の万博スタジアムをボッタクリ価格でガンバに賃貸し、敷地内では火も使わせず、自前の出店も禁止。スタジアムの快適性なども一切考慮せず、どこかを直したりユーザーフレンドリーな仕様にしようとしても「お前らが自腹でやれ」ってな態度。どう見てもギルティー。
しかも独立行政法人の中では広大な万博公園の入場者などのおかげなのか、特に赤字を垂れ流すこともなく。
嫌ならガンバさん出て行ってくれてもいいんですよぐらいな勢いだ。(もちろん株式会社ガンバ大阪だけを優遇するわけにもいかないというちゃんとした(?)理由があるからではあるのだけども。)
ガンバとしてはまずこのラスボスチックな万博機構を倒さねば新スタは完成しないと思われた。当時は。

そんな中、

2008年10月、(株)エキスポランド民事再生法を適用。
(cache) エキスポランドの一時休業と開催中のイベントについて
 ↓
2008年11月 パラマウント構想
 ↓
2008年12月 パラマウント構想はガセでした

なんてこともあり。
なんかもう事態がややこしすぎる。このへんになるとサポとしてもテンションダダ下がり。いったいどうなってしまうのかと…。

そして年が明ける。


■2009年

しかしここでクラブが動き出した。
2009年の8月に着工して2011年の完成を目指すというのだ。

今思えばこれは何きっかけだったのかとw

クラブは急にエンジンがかかったかのように精力的に動き出す。
まず2009年2月、ヨーロッパのスタジアム視察。


いろんな先進的なスタジアムの最後に俺たちの万博を持ってきたのは素敵でしたね。
もうこの頃は毎日レポートを見てるだけで楽しかった。
夢がひろがりんぐ。



そして2009年6月、万博公園が府営化するかもという話が。

府営化すればラスボスと目された機構はいなくなるわけで、新スタ完成に向けて大きな一歩かと思われたけども思われただけだった。この話は結局2012年2月現在でもまだあまり進んでないもよう。こないだちょっと独行廃止のニュースには出てましたけどね。

ついでにオフィシャルではこんなリリースがw

960億円!
はしゃいでるな。イケイケだな。宮本教授てw



そして2009年7月。

 G大阪の金森喜久男社長(60)が8日、2011年の完成を目指している本拠地の新スタジアムの建設費用について、全額をスポンサー企業やサポーターなど民間の寄付で賄う方針を明らかにした。クラブ関係者によると、清水戦が行われる11日の万博競技場で建設費用についての説明会を開く予定という。

あらためて資金的なことについては税金に頼らないという方針を明らかにした。
そしてオフィシャルからもリリース

これは大きな一歩だったと思う。
ホントにどうなるの?と思われていたところにしっかりと改めて内外に方針を示した点でグッと前進したように感じた。

完成イメージ図まで出てきてテンション上がったなーw


しかしここで ま た 変な横やりが。
一度はガセで無くなったと思われていたパラマウントの計画がもう一度出てきたのだ。もうこういう展開飽きた。

燦キャピタルマネージメント(本社・大阪市)は、米国映画大手のパラマウント・ピクチャーズグループと共同で、大型リゾート施設「パラマウント・リゾート大阪」を開発すると発表した。経営破たんした遊園地「エキスポランド」の跡地(吹田市)に、映画を基にしたテーマパークや商業施設、ホテルなどを含む大型複合リゾートを建設する計画だ。2012年の開業を目指す。

うさんくせえー。
でも橋下知事(当時)もなんかノリノリである


ノリノリはありがたいのだが、それでも建設地が決まらない。

みんなヤキモキ。
2012年完成を目指すなら2010年中には着工しなければならない。そりゃ直訴だってします。正直本当にできるのか不安になってた。
そこで2009年10月10日、オフィシャルからこんなリリースが。

皆さまの声をお聞かせ願いたい!これが今の新スタジアム建設への力強い後押しとなります。
ぜひ、お手紙、メールにてこの新スタジアム建設場所への皆さまの想いをお聞かせ下さい。
皆さまの想いは、我々を通じて、自治体の皆さんへ伝えていきたいと思います。
もし、皆様から望まれていない声が多く届くようであれば、新スタジアム建設は万博以外の場所ということを考えざるえない状況になるかもしれません。

この時はもうクラブも必死だったんだろう。
建設計画に関しては何がどうなってるのかはっきりとは分からないからサポは見守るしかない。なのでクラブにもサポからの声は届きにくい。吹田市以外からも誘致の声がかかってる、でも当の吹田市からは歓迎されてない雰囲気も伝わってくる、皆さんで万博がいいんだ!という声をあげてほしい、と。


このサポーターからの声は2009年12月に吹田市伝えられたもよう
そしてこの市長との会談の中で出てきた話として「2013年完成を目指す!」と結論めいた話が飛び出した。

 「3月に行われる吹田市の議会にかけて、承認されれば3月中にも決まると思う。12年度中に完成させて、13年の開幕に間に合えば」

2013年……。
どんどん遅くなっております。

しかし今思えばこれも大きな一歩だったのかもしれない。候補地は「万博で」としっかりアピールして「資金の目途も付いてる」と。サポから募った声も後押ししたのだろう。吹田市との話し合いの中でここまで具体的なスケジュールなどの話が出たのはこの時が初めてじゃないかと記憶する。知らんけど。

もうひとつ。2022年のワールドカップ開催地として日本が立候補していたというタイミング的なものもあるだろう。上の記事の中でもその点は言及されている。
しかし、後々そのことで「なんだそりゃ」と吹田市には呆れることになるのだが。



それにしても長い。
このエントリ書き始めたの先週の土曜日。今火曜日。まだ2009年。長い。いつ書き終わるの。


■2010年

年が明けて、新年の頭からペナ子がやらかす。
1月14日付けのGメールにて寄付募集のための『サッカー専用スタジアム建設推進事務局』なるものが発足したという内容のメールを発信したのだ。
これを受けたガンバサポは狂喜乱舞。寄付募集ということはスタ建設に本格的に具体的に動き始めるということだ。これは踊らずにはいられない。Twitterでもキタ━━!!の嵐。

しかしその数分後、ガンバサポをさらに驚愕させるGメールが届く。

本日配信されましたスタジアム建設事務局についてのGメールは、誤りでした。謹んでお詫び申し上げます。
スタジアム建設の進展については、正式に決定次第改めてご報告させていただきます。

ワロタw
腹抱えて笑ったw
ありえねぇw

ガンバサポが最も敏感というか、今一番気になっている所を容赦なく突いてくるペナ子。さすがのクオリティ。
でもちょっと凄味というか、すごいなと思ったなこの時は。やらかすとかもうそんなレベルじゃないw


で、そんなこんながありながら実際はどんな動きだったのかというと、吹田市が2022年W杯の開催地として立候補に向けて動き出したのがこの頃。

開催地決定はこの年の12月。その前にFIFAに「うちのスタジアムで開催したいです」とJFAを通して届け出なければならないのだが、吹田市はこのガンバが自前で建てるスタジアムをあてにしてJFAに立候補の届けを出した。「市は一切負担はしません」とガンバ大阪に宣言をして。

厚顔というか何というか、もうこの吹田市の態度には呆れるしかないのだが、よくもまぁそんなことが言えるな、と。
吹田市ガンバ大阪に出してきた要望は以下の4点。

1 スタジアムの寄付について
 吹田市は、完成した施設の寄付を受ける。
 ただし、施設は座席数3万2千席以上、かつ2面以上の屋根つきで、4万席への増築可能な設計のスタジアムであること。
 なお、現金での収受は一切行わない。
2 スタジアム建設用地の賃借料の負担について
 吹田市は、スタジアム建設用地に係る固定資産税相当額以上の負担はしない
3 大規模修繕費の負担について
 吹田市は一切負担しない。
4 ワールドカップ招致に伴う座席数4万席への増改築費の負担について
 吹田市は一切負担しない。

「建てさせて欲しいならこの条件を飲め、飲めないなら建てさせない。でも完成したらW杯でウチが使うから。あ、W杯基準の増席分はキミら負担ね」と言うわけだ。ひどい。どこの悪代官だ。暴れん坊将軍に言いつけるぞ。

ガンバは当然これに難色を示す。

 大阪府吹田市は5日、G大阪の新スタジアム建設計画で、3月市議会に予定していた、完成後のスタジアムを市の資産にするための議案提出を見送ることを明らかにした。

 新スタジアムはG大阪が万博記念公園内(吹田市)に建設を計画。建設費約130億円は寄付で賄う予定で、スタジアムを市の資産とすれば、寄付した人や企業は税制上の優遇措置を受けやすくなる。

 吹田市によると、完成後の大規模修繕費を市が負担しないなどとした条件にG大阪側が難色を示した。市は議案を5月以降の議会に提出するかどうか未定としている。

当たり前だ。自腹で建てようとするだけでも前例のない挑戦なのに、さらに負担せよというのは厳しすぎる。
もうこの時俺の中では吹田市は相手の足元を見て無理難題を突きつけて「フフン」と嫌味な笑いを片頬に浮かべながら相手が困ってるところを眺めてるVシネマの悪役キャラだ。ヤな奴だ。なんだそのVシネマ。腹の立つ。

で、また竹内じんいちとかいう吹田市議会議員がネガキャンエントリーを書いてるのが余計に腹立たしさに輪をかける。

なにが「考察」だ。うっせー馬鹿!


結局この件をクリアできなかったことにより、新スタ建設についての議案は3月の市議会に上げられなくなった。時間切れ。吹田市もW杯開催地立候補を取り下げた。(これがまたムカつく。)
スタジアム建設計画はまたしても頓挫する。
もう何度目なの。
俺たちあと何回裏切られればいいの……。



そんな失意の日々の中、何の前触れもなく新スタ候補地として一度は消えたと思われた高槻市が再浮上する。

万博ちゃんと別れて高槻ちゃんとこ行こっか…みたいな。

しかしガンバは「まずは吹田市」と改めて明言。

 G大阪が建設を目指す新スタジアムについて、金森喜久男社長は17日に会見、建設候補地の万博がある吹田市側と誠心誠意交渉を進めていく考えを明かした。

それでもダメならあるいは高槻市で、という話だったわけだ。
まぁでもこの時は俺ももう吹田市にあんなにまで言われたら出て行ってもいいんじゃないの?とか思った。もちろん万博が一番だけどさー。



そして2010年3月、クラブは正式にリリースを出す。

いつもご声援いただきありがとうございます。
3月6日新聞等で報道されましたスタジアム建設および吹田市のワールドカップ開催地立候補断念の件につきまして、ご報告させていただきます。

吹田市とのスタジアム建設交渉について
2008年4月に「自治体に提供していただいた土地へ民間の力でスタジアムを建設する」という自治体と民間の協働によるまったく新しいスタジアム建設の計画についてホームタウン4市(吹田、茨木、高槻、豊中)へ協力要請を行いました。それに応える形で吹田市より協力の表明をいただき、これまで協議を進めて参りました。
現在、1月29日に吹田市より「スタジアム寄付採納の条件」として提示された課題について、検討を重ねています。(※1)

各条件について検討を重ねる中で、特に苦慮している課題は、1つめの条件です。
本プロジェクトで利用する寄付制度では自治体と国税局の承認をえた後、募金活動を開始し、集まった寄付はすべて自治体へ寄贈しなければならないルールがあります。したがって、万一金額が建設費用に満たなかった場合も、吹田市は現金を受け取らなければならず、それにより募金団体に代わってスタジアム建設の責任を追究される可能性を吹田市は懸念されていました。
吹田市の心配を払拭するためには、「必ずスタジアムが建設できる」ことを示す必要があると考えました。しかし、募金活動は自治体の認可後でないと開始できません。そこで企業の方へご協力を依頼し、まずは必要最低限の設備にしぼったスタジアムを建設するための費用(約100億円)の目処を示し、吹田市に安心していただいた上で、より充実したスタジアムを目指し、募金活動を本格化させることを提案しました。
しかし、吹田市は「最低限の設備(屋根なし)」ではなく「屋根を2面設置したスタジアム(約130億円)」の建設の資金の目処を示すまでは募金活動を認めないとしています。
これが1つめの条件の示すところです。
これは計画していた資金計画の抜本的な見直しを迫られることであり、他の条件含め慎重な判断が必要であると考え、引き続き検討を重ねるためのお時間をいただきたいと3月5日付けで吹田市へお伝えいたしました。(※2)

※1 採納条件について(ガンバ大阪2月5日ニュースリリース参照)
http://www.gamba-osaka.net/news/news_detail.php?id=2061&c=2&pageID=2
※2 資金計画について(ガンバ大阪7月11日ニュースリリース参照)
http://www.gamba-osaka.net/news/news_detail.php?id=1627&c=2&pageID=10

■ワールドカップ開催地立候補断念について
2010年1月に吹田市は2018年/2022年のワールドカップ開催都市へ立候補を決定されました。吹田市と一緒にワールドカップ開催の夢を実現するため、弊クラブで招致準備費用を寄付するなど最大限の協力をしてきました。
3月のFIFAとの契約にあたって、募金団体がスタジアムの所有者となることを求められました。しかし、募金団体は自治体がスタジアムの所有者となることを前提として活動が認められるため、このような契約を交わすことはできません。
このことをお伝えした上で、ワールドカップが地域にもたらす効果について前向きにご判断いただくことを期待しましたが、残念ながら吹田市は開催都市への立候補を辞退されることとなりました。
我々としては、大変残念に感じております。

■今後の協議について
我々はこのスタジアム建設によって、地域の皆様にサッカーを存分に楽しんでいただくための環境を整えると共に、「サッカー」というスポーツを通じて、地域のスポーツ文化の振興や地域経済の活性化を目指したいと考えています。それにより、これまでガンバ大阪を育てていただいた地域の皆様に恩返しをするとともに、これからもこの地域と一緒に成長していきたいと考えています。そのためには、この理念に共感し、一緒に課題を乗り越えていくための地元自治体の協力が不可欠です。
我々はこれからも課題の解決に努めるとともに、「地域の皆様のご理解」と「一緒にスタジアムを建設しようという強い気持ち」で一日も早いスタジアムの完成を目指していきたいと考えております。
引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。

このリリースはもう一度しっかりと読んでもらってもいいと思うのだけど、クラブの苦悩が行間から滲み出てる。ほんと苦しそう。一体どうなってしまうのかー。



なんて思ってたらば。
2010年3月11日、スタジアム募金団体が設立。年始のペナ子のメール誤送信事件はこの前振りだったもよう。
結局ガンバは3月9日のリリースで表明したように「強い気持ち」で改めて動き始めたのだ。
動き始めたはいいけれども吹田市との交渉は凍結中で何も進まなかったな。
事業仕分けで追い風か?みたいな報道もあったけど。

このあたりからラスボスは吹田市か?と思い始める。



そして2010年8月、設計施工者として竹中工務店が決定。

そして完成予想図。


キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
かっこよすぎワロタwwww

竹中工務店GJすぎる。
またこれで踊りましたとも。ええ、浮かれましたとも。iPhoneの待ち受けにしたりしてね。やっぱこうして具体的な絵を見せられるとテンション上がる。まだ何にも決まってなくてもね。
社長もこの頃には「西野監督こけら落としを!」とか言ってたなw
このへんから募金団体もクラブも、俺らを喜ばせるような内容の情報をちょくちょく出してくる。工事現場見学だとかミュージアムだとか。いやいや、まぁそういうのも嬉しいんだけどまずは箱をだな…。


■2011年

そしてなんんんんの進展もないまま時は流れ。
あれ、もうスタジアムの話なくなっちゃったの?なんて思い始めた2011年9月17日、またしても読売の一面に「万博に新スタ」という記事が掲載される。



しかし新スタに関して高度に訓練されたガンバサポは他サポと区別が付かない。え、ガンバサポだよね?嬉しくないの?みたいな。この頃になるとこれぐらいじゃもう踊れない。踊らない。正式発表じゃないと信用できない身体になってしまってた。昔のアタシを返して。狼少年にダマされ続けた村人の心境がわかった気がする。

産経でも似たような内容の記事が。


しかしこれらの報道は一部事実と異なっていたもよう。
井上市長との会談は吹田市から出されていた3条件(4つのうちW杯開催時の増席云々以外の3つ)に変更はないかという確認だったということらしい。

ほらな、と。やっぱり正式発表がくるまでは踊れない。建てる建てる詐欺はもうたくさんだ!(ガンバサポ心の叫び)


10月24日、しかしクラブは最終的に吹田市にプロポーズ。

 J1のG大阪が、約3万2000人以上収容のサッカー専用スタジアムを大阪府吹田市万博記念公園内に建設する方針を固め、金森喜久男社長が24日、井上哲也市長にスタジアム建設決定の報告書を手渡した。

いよいよ最終局面か。
大きな前進だがまだ喜べない。

一方、候補地として再浮上していた高槻市、有志らが署名活動を始めており、67,228筆の署名を集め市に提出。
しかしこの努力もむなしく高槻市はこれを拒否していたもよう。

高槻ちゃん…信じてたのに……。


で、ガンバも高槻市の有志たちとは別に吹田市に提出するための署名活動を始めた。


吹田市議会にかけてもらい、それが可決されるよう働きかけるための署名。目標は10万(!)。ラスボスは吹田市議会。議題に上るのは2011年12月。



■ラストステージ

吹田市議会の本会議で採決がされる前にまず「文教市民委員会」というところで決が採られた。これが全会一致で可決。本会議でも可決される見通しとのこと。
これが12月20日。

 大阪府吹田市の文教市民委員会は20日、サッカーJ1のG大阪が新スタジアムを同市の万博記念公園内に建設し、同市に寄付する議案を全会一致で可決した。26日の本会議でも可決される見通し。

しかししょせんこれはまだ委員会。本会議ではどう転ぶか分からない。油断するな。



■クライマックス

そうして迎えた運命の2011年12月26日。
ついに「議題第124号 負担付き寄附の受納について」が吹田市議会本会議の議題に上った。



では可決された当日の状況はこちらのTogetterでどうぞ。
言葉を重ねるよりもこれを見ていただいた方が早いしよく伝わると思う。

いやー、ホントこのTogetterは素晴らしい。もうほとんどドキュメンタリーだw
あの日の時間の流れを追体験できるという意味で本当に良くできたまとめだと思います。
今読んでもニヤニヤが止まらない。



これでやっと正式に新スタジアムが建設されることが決まった。
長かった。本当に長かった。
もうムリかと何度も諦めかけた。でも諦めずにいてよかった。ついに夢が叶う。

完成予定は2014年3月。2012年中に着工するのかな?
その前に地鎮祭はよ。



再来年の春、たぶん、間違いなく俺は泣く。
新スタのゲートをくぐり、真新しい階段を駆け上り、屋根付きのゴール裏に出るとそこには眼下一面に広がる美しい緑色のピッチ。それを見た瞬間にたぶん泣くと思う。
夢にまで見たサッカー専用のスタジアム。今から想像しても心が震える。

その日が来るのが今から楽しみです。



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