万博の思い出

93年のJリーグ開幕からガンバ大阪のホームスタジアムとしてずっと使い続けてきた万博が、ついにその役目を終える。
さびしい。
思い出補正が幾分かかっているとわかってはいるが、それでもしんみりとしてしまう。

前にも一度書いたかもしれないけども、僕が初めて万博でガンバの試合を見たのは1993年のジェフ市原戦だ。
サントリーシリーズだったかニコスシリーズだったかは忘れた。
その時のチケットはアウェイ席。
今思えばありえないが、その頃はチケット自体が入手困難らしく(「らしい」というのはチケットの買い方も知らなかったから伝聞でしか知らないため)見れさえすれば何でもよかった。
まぁ当時はブーム過ぎて、かつ、まだそういう文化もなくてホームもアウェイもあんまり関係ない感じだったけれども。

特に見づらいとは思わなかった。
サッカーを生観戦するといった経験もほとんどなかったし、こんなもんなんだろうという意識しかなかった。
海外の専用スタジアムや鹿島スタジアムの立派さは映像の中での遠い世界の話というか、あまりリアルには感じれてなかった気がする。

しかしどうやら酷い部類に入るらしいと思い始めたのはいつの頃からか。
2002年のW杯のために全国に新スタができて「いいなー」と思ったのは覚えてる。
でもまぁ酷いとは言っても、自分の家をけなされても「うっせーバカ!」としか思わなくて、メインとバックのスタンドは見やすいっちゅーねんとか思ってて。
でも本当は内心で「ボロいよなぁ…」とも思っていて。

でも結構好きなんです。
あの芝生のゴール裏とかもかなり好きでした。
のどかで。
雨が降ると地面がめっちゃ滑って参ったけどな。
万博のゴール裏みたいな斜度のないところから平面的にサッカーを見て、それを立体的に知覚・認識する能力は鍛えられた気がする。
アウェイゴール側で何が起こったか把握する能力。
今後この能力はどこかで役に立つんだろうかw


スタジアムでの思い出としては本当にいろいろとあるけども、やはりガンバの試合の思い出が一番。
奇跡的とか劇的とか歓喜とかそんなポジティブな思い出はもちろん、思い出したくもないクソみたいな敗戦やしょうもない試合とか。
期待の選手のデビューや別れのラストゲーム
こういうの思い出すと顔がニヤけたり記憶が蘇って鳥肌たったりしてきますな。

あとは試合以外のことも。
ダービーのためにゴール裏の裏にあつまって紙吹雪作成したり、MG(という名のビラ)を作って配ったり、しなポテがマズかったり、でんの焼肉弁当とか肉うどんとかの温かいメニューが登場した時にめっちゃ感動して「もう思い残すことはない!」とか超早まったことを思ったり、ゴール裏の分裂応援が統一したり、『勝て勝て勝て勝てホームやぞ!!』のダンマクが登場したり、ゴール裏の応援拒否があったり、Gビジョンの画面が1個だけ欠けたとこがあったり、それが直ってたり。
今パッとと思い付くだけでも本当いっぱいあるな。
枚挙にいとまがない。
こういうのだけで話が盛り上がって朝まで飲めそう。
いやー、さびしいですね。


そして今週のリリースの中にこんなのが。

◆リーグ最終戦セレモニー&「ありがとう万博」セレモニー実施!
試合終了後、1年間応援していただいたお客様へ感謝の意を込め「リーグ最終戦セレモニー」と、OB選手を招待し「ありがとう万博」セレモニーを実施します!お楽しみに!

OB選手って誰かな―。
ファン感のときと丸かぶりでもいいですけど。

というわけで。
新スタは楽しみだけど、万博の思い出にちょっと浸りたいなと思う今週末。
まぁまだ今後も天皇杯とかで利用することもあるだろうし、12月26日にはまだ試合があるし、二度と万博の敷地を踏むことはないってこともないでしょうけども、とりあえず俺たちの万博とはひとまずお別れ。

いろんな思いがありますが、そういう万感の思いを込めて本当に心の底から言いたい。
ありがとう万博。