「万博」という呼び名について。

もうあと半年ほどで万博とお別れなんですけども。
物心を付いた時から万博はあそこにあって、以来あのあたりに親戚が住んでたこともあってそれなりに親しんできたのだけれども、Jリーグが始まってガンバ大阪を応援するようになってからはさらにというか余計にあのスタジアムが特別なものとなりました。
屋根もないしボロいけれども、愛すべきスタジアム。

改めてじっくりと考えてみると、僕は「万博」という言葉を口にするとき、単に万博記念陸上競技場を意味する“記号”としての固有名詞であるだけではなく、ガンバ大阪やそれにまつわる様々な事柄、歴史、感情、等々を内包する何やかやの“象徴”としての呼び名と認識しているフシがある。
フシがあるっていうか、「Q.万博とは何か述べよ(10点)」みたいな出題があったとしたら結構な紙幅を費やしそうな感じがある。

先日、現在建設中の新スタジアムの総事業費が140億8,566万5,383円との発表があった。
近未来的なフルスペックの設備。ついに待ち焦がれたサッカー専用の屋根付きスタジアム。
かねてよりあそこは「(仮称)吹田市立スタジアム」と名付けられているけれども、今後は正式な名称を公募にするのか*1ネーミングライツを利用してそれを採用するのか、あるいはただそのまま「仮称」が取れる形になるのか分からないが何かしらの新たな“記号”が与えられることにはなるのだろう。

「万博記念陸上競技場」をいろんな感情を込めたり込めなかったりして「ガンバのホームスタジアムといえば万博」みたいな感じで呼び習わしてきたけれども、ずっと何年かたったあと、俺らはあの新スタジアムをなんと呼ぶようになっているのか。なんかそんなことがふと気になった。

個人的には新スタジアムも「万博」と呼んでいたい、という懐古厨的な気持ちもあって。
まぁでもそれだと区別がややこしいから何らかの別の呼び名で呼ぶんだろうけれども、10年後、20年後にはまた「万博」と呼んでいたい的な。

ていうかどんな気持ちなんだろうな。ホームスタジアムが変わるっていうのは。
ちょっと今は想像がつかない。
引っ越しすると新しい部屋の匂いとか街の風景とか近所にこんな店があって新鮮みたいなあれなんだろうか。
「シャンプーをしながら 目を閉じたまま シャワーも出せないけれど そのうち慣れてくるでしょ」*2的な。

まぁでもどんな呼び名でも普通に馴染んでそうな気もする。
いずれにしても新しいスタジアムが楽しみだし、その完成が待ち遠しいという話。

*1:時間的にその可能性は低そうだが。

*2:ワンルーム・ディスコ」/Perfume