大阪~福井150マイル
先週末の二日間を使って大阪から福井まで自走で走ってきた。
ルートはこんな感じ。
約241km。150マイルを自転車で行く旅である。
序
そもそもなぜ福井までのライドを計画したのかというとですね、ウチの奥さんから
・福井のヨーロッパ軒総本店でソースカツ丼が食べたい
・自己最長のロングライドが224kmなのでそれを越えたい
という2つの個別のリクエストをいただきまして、「じゃあとりあえず福井まで自走するってのはどうよ」みたいなことを提案させていただいて実際にルートを引いてみたところ、本当にちょうど240km前後になりまして、おお!ちょうど150マイルでキリええやん!!ってことになったんですね。
これが今年の2月ごろの話。
じゃあそれでいってみようということでホテルを予約してサンダーバードの帰りの切符も購入と。
旅の計画というのはどうしてこうも盛り上がるのか。
トレーニング
しかしそうは言っても今年の冬、我が家は2人とも全然走ってなかったんですね。
僕の方はまだしも彼女の方は下手したら休憩時間込みのグロスの平均時速が10km/hとかいうパンチの効いた数字を叩き出しそうな勢いである。
これはちょっと240kmを24時間で走るという未体験ゾーンも視野に入ってくるぞ?
いやいや、それはさすがにいかんだろということで特訓開始。
3月に150km、4月に200kmのライドをそれぞれ計画し、その合間にもなるべく回数を多く走ることを目標に。
なんとか計画通りにトレーニングをこなして、これなら福井まで自走で行って「その日のうちに」着けるだろうという感触は掴めたので、
☞ Go
No-Go
ということで計画実行です。
まぁアカンかったら途中でDNFして輪行で行ったらええやんけというゆとりの気持ちを持つことが大事。
準備
僕がソロで走るだけならそんなに準備に手をかけることはなくて、まぁ走り出して何かあれば都度都度臨機応変に対応すればいいかーっていう感じなんですけども、今回のこのライドに関しては僕はライドリーダーであるけどもむしろサポートライドの側面の方が強いという感じなので、いろいろと工夫をしてみました。
その一つがこれ。
いつも一緒に走る時に「次の休憩まであと何km?」って聞かれることがよくあって、僕からしたらあと何kmっていうか、しんどくなったら休めばいいやん?って感じなのですが、彼女とすれば「短期目標」が欲しいということなんですね。
まぁその気持ちもわかる。
ということで、だいたい20kmごとぐらいに休憩ポイントを設定して4月に走った200kmライドの平均時速から割り出した予想到着時刻などをくっつけてエクセルでサクサクっと作成。
これをバイクのトップチューブに貼っつけます。
あとiPhoneのウィジェットにも表示させていつでもシュッとやれば見れるようにした。
これは案外効きました。
解決すべき問題を適切な粒度に分解して実行していく。
あまりに荒い分け方だとだと先が見えなさすぎてツラくなる。
なので20kmごとというのはちょうどいい感じでしたね。
実際この通りに走ってみて疲労感は確実に軽減しました。
装備
当日の天気予報は曇り時々晴れ。最高気温25〜26℃、最低気温9〜11℃。
まぁ240km走ろうというんだから北摂から北陸まで、天気予報を見る範囲も広範です。夏日になる予想なのに最低気温は1ケタと。ウェア選びに悩むところではある。でも5月のこの時期なら着ていくべき服装はだいたいわかるんだ。俺は詳しいんだ。
Raphaのブルベジャージにブルベジレ、アームスクリーン、ビブショーツ、中はプロチームベースレイヤーの半袖という格好。
御守り代わりにウィンドジャケットを持っていく。
バイクにはアピデュラのサドルバッグ(コンパクト)を付けて、中には輪行袋やモバイルバッテリー、工具類・予備チューブなどを詰めたサドルロールなんかをそのまま放り込む。
そしてジャージのポッケには補給食や電解質パウダー、BCAAなどを持てるだけ入れていく。
スタート〜夜の能勢町
金曜日の仕事を終えて速攻で帰宅。
ご飯は食べずにビールを1本だけ飲んで20時には就寝。
20時て。小学生かな?
そして23時に起床。
着替えて日焼け止めを塗って(夜中なのに)タイヤに空気を入れて準備万端。 戸締りも指差し確認して抜かりなし!
0時ちょうど発の自転車に乗っていざ出発!
待ってろ福井!
とは言っても最初の目的地は箕面の市役所前ファミマなわけですね。
夜ご飯食べてないからね。
何ご飯になるのかわからないけどもいつものファミマでサンドイッチとコーヒーを摂取。
大阪から自走で北陸方面を目指す場合、京都を抜けて琵琶湖西岸を北上するルートや鯖街道を福井までみたいなルートがありますけども、今回選んだのは美山経由。
普段から北摂の里山を走ってて交通量の多い道路に対してストレス耐性の低い俺には多少登りがあってもこっちの方が好き。
好きというかムリ。
ということで美山経由1択!
まぁでもそれはそれでいいんですけど、それはつまり街灯のまっっったくない暗闇の山道を走るということなんですよね…。
こんなん。
走ってる最中に茂みの中からはガサガサッとかザザザッみたいなケモノの気配しまくりでめちゃくちゃ面白かったです。鹿がめっちゃいました。
4月に走った時も一応深夜の山道を体験しとこうってことで夜中の2時に走ったりもしてたんで、そこで積んだ経験値が効いてます。あまり怖さはなかった。
経験て大事ですね。
むしろ一般車両通行禁止の時間帯なのにブオンブオンいわせて走ってる走り屋集団のほうが怖かったです。
亀岡ゴルフクラブのとこでめっちゃデカい鹿が街灯の真下に立ってこっちを見てて何かすごく神々しかった。
もののけ姫のシシ神さまかな?っていうぐらいの勢いでした。
まぁ近づいたらパカラッパカラッて逃げて行きましたけど。
あと犬甘野のあたりが星空がめっちゃくちゃ綺麗でビックリした。
iPhoneのカメラでは映らんだろなーと思って撮りませんでしたけども、まぁすごかった。
あたりが真っ暗だからこそ見えるやつ。
こんなに星いる?ってぐらい星だらけでした。
良いもの見せてもらいました。
夜明け
順調に走ってたんですけどもやはり夜明け前が一番気温が下がるってことで4時前ぐらいがめちゃくちゃ寒かったです。
持ってきてたウィンドジャケットを着て凌ぎましたけど手が冷たい。痛い。
辛抱たまらんということでコンビニで軍手を購入。
まさかここまで寒いとは。
路肩の気温計を見ると7℃表示。そんなん下りやったら体感5℃切るやつやん。
そら寒いわ。
もっとあったかいオプション持ってきてたらよかった。ニーウォーマーとかアームウォーマーとか。
日の出はよ!とか思いながら走ってたら新世紀第一トンネルのあたりでやっと空が白み始めてきました。
田んぼの水面に月が映って綺麗。
写真だと真っ暗だけど。カエルがグァーグァー鳴いてたけど。
太陽が昇ればこっちのもんだってことで快調にスプリングスひよしに到着。
おはようございます。
美山を往く
美山はいつ走っても気持ちのいい場所ですけども、早朝に走るのは初めて。
空気が凛としててこういうのもまた気持ちいい。
ここでも鹿めっちゃおった。
鹿ってあんな鳴き声で鳴くんですね。
「キュェーーーン!!」みたいな。
文字にできないですけど。
そしていくつ目かの休憩ポイント Cycle Seeds に到着。
しかたないので近くに観光なんちゃら施設があったのでそこで自販機休憩とトイレ休憩。
山の中の寒さでかなり消耗した。
日本海到着!
そんなこんなで小浜に到着!
小浜と言えば若狭フィッシャーマンズ・ワーフである。
しかしここに来ると自転車部の3人で初めて来た時のことを思い出す。
あの時も楽しかったなーw
小浜の海
ここまでで129km。時刻は10時。スタートしてから10時間(笑)。
でも驚くほど予定通りに来てるので不安はなし。このままノートラブルで行けば明るいうちにゴールできるはず。
腹ごしらえも済んで後半戦スタートです。
若狭〜敦賀
ここまでは主に山パートでしたけどもここからは海パート。
つまり風の向き(追い風か向かい風か)で速度と疲労が左右される。
お願い神さま、追い風でお願いします!!!
って心の中で祈ってたんですけど何か斜め向かい風(微風)みたいなそんな中途半端な感じで辛過ぎもせず、楽でもなくみたいなそんな感じでした。
国道27号と並行して走る県道24号は結構好きです。
そして若狭梅街道! 快走路!
小浜、若狭あたりを走る頃は曇り予報と聞いてたのでこんなに青空が見えたのはすごく嬉しかった。
モチベーションも上がる。
ちなみにこの写真はめっちゃ気に入ったので今俺のiPhoneのロックスクリーンを飾ってます。(どうでもいい情報)
そして美浜町を過ぎたあたりの海
関峠。しんどかった……。
敦賀港に海上自衛隊の艦船が停泊してた。
なんかのイベントがあったみたい。
(このあと道を間違えます。)
しおかぜライン〜越前町
そして敦賀を抜けていよいよ越前・河野しおかぜライン。
この辺に来ると本格的に曇り始めて空が白くなって景色的にはイマイチでしたw
晴れてたらいい感じなんだろなぁ~。
しおかぜラインに入る頃にはもう陽が沈んで真っ暗の中走ることになるかもなーと覚悟してたんですけども(Ave.10km/hも想定してたから)、明るいうちに走れてよかった。
ここまでで200km。
疲れからか、このあたりから写真を撮ることもめっきり減ります。
福井市突入
海岸線を離れていよいよ内陸部へ。
いよいよゴールが見えてきた!(見えてない)
この時の登りがキツかった。
事前にストビューで見てたときはチョロそうだったので「余裕余裕、アウターで行けるわ」とか思ってたんですが、100mも進まないうちにインナーへ。
無理はよくない。
しかもこの峠というか山越えが長いのなんの。
福井県厳しい。
織田信長一族発祥の地という織田町(おたちょう)を通過。
いやー、この標識見たときにはホッとした。
このあたりからもう下りばっかり。
ゴール
そして市街地に入って交通量も増えてきていよいよゴール。
夜中の0時に出発してJR福井駅前に18時30分到着。
246km、1,983mUP、6ファミマ。
トラブルなく無事に着けて何よりです。
*
出発前はどうなることかと思いましたが、終わってみれば案外あっさり着いたなという感想。
やはりあのタイムテーブル表が効いたように思う。
あれのおかげで小まめに休憩も取ることができたし、先の予定が読みにくい中を走っていても焦らずに済んだ。
こういった長時間のライドでは無理をせず、気持ちに余裕を持つというのはとても大事。
たぶん自分一人でのソロライドなら同じ時間でもっと遠くまで行けたと思う。
そういう1人でのチャレンジも素晴らしい体験なんだけども、誰かと一緒に走るということの素晴らしさは、ライドそのものよりもこの体験を共有したことでずっと後々までこの記憶を語り合えるということだと思ったりする。
「あの時の向かい風はひどかったね」
「この写真を撮った時は暑かったな」
「あそこで食べたあの味は忘れられない」
「あの景色と空は最高だった」
「誰やあんな坂をルートに入れたん」
等々。
そういう得難い体験や記憶を共有することでしんどかったこともいい思い出になる。また次のライドが楽しみになる。
グループライドにはそういう良さがあります。
夫婦で共通の趣味を持つと内緒での買い物ができにくいなど色々とマイナス面もありますけども(笑)、こうやって同じ時間を過ごせるのはとても良いですね。
次はどこに行こうかね。
こういうエピックなライドのあとはポッカリ穴が空いたような心持ちになるので早く次の計画を立てねばw
お疲れ様でした。
【おまけ】
今回初めてアグレッシブデザインの日焼け止めを使ってみたんですが、これがとてもいい感じでいした。
走ったあとも顔が全然赤くならない。
値段はお高いですけども早く買えばよかったなーと思えた一品。
クレンジングオイル(奥さんに化粧落としのを借りた)で落とさないといけないのはめんどくさいですけども。
あとはこれ。
ロート製薬様のスキンアクア リップケアUV。
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これ最高ですわ。さすがロートさん。
僕はいつも晴れた日とかに長時間自転車に乗るとだいたい唇が日焼けしてその後の数日間荒れたりするんですけども、今回これを持っていって休憩のたびに塗ったりしてたら全然荒れたり痛くなったりせずに済んで最高です。
リップクリームって基本あまり好きではないんですけどもこれはあり。
こういう細かい部分のストレスを解消できるアイテムってほんと大事ですね~。