四国・しまなみツーリング2日目 瓶ヶ森林道
朝4時。
iPhoneの目覚ましアラームが鳴る。
ねむっ。
薄目を開けてアラームを止め、あと10分だけ寝てていい理由を2兆個ぐらい考えてもっかい寝る体制に入る。
んが、気を取り直してベッドから這い出す。
眠い。
2日目の始まりである。
昨日のうちに買っておいたコンビニのパンとコーヒーなどの朝食を摂りながら今日の天気を確認。
なんとかいけそう。
着替えて荷物を片付けてパッキング。
エレベーターに自転車を乗せてロビーに行ってチェックアウト。
まだ外は真っ暗である。
2日目のルート。
今日はこのツーリングのメインイベント。
瓶ヶ森林道(かめがもりりんどう)、いわゆるUFOラインを目指す。
距離40kmの坂をずーっと登って標高1,600m地点まで。
そんなの走ったことないw
大丈夫なのか?
*
まずは伊予西条の駅からR194を目指す。
そこまで行けばほぼ迷うことなく寒風山トンネルまで行ける。
と、思っていたら道路にこんな表示が。
寒風山トンネルまでの道を示すブルーライン。
これは助かりますね。
こういうのってしまなみ海道だけにあるんだと思ってた。
さすが愛媛県。
サイクリストに優しい。
朝ごはんがパンだけじゃ足りなかったので追い朝食。
ついでに補給食として鮭おにぎりを買って背中のポケットに入れる。
そこで見た伊予西条の朝焼け。
194号に入るとあとはもう加茂川に沿ってずーーーーーーっと登っていくだけ。
40kmちょっとをほんとにずーーーーーーっと。
40kmってどれぐらいかと言いますと、まぁずっと上り坂のフルマラソンてことですね。
御堂筋を梅田から難波までを10回歩く距離ですね。
平均斜度としては4%ぐらいになりますけども、後半はだいたい8%〜10%、ときどき15%みたいな感じです。
ちなみに今日は平坦はありません。
登りか下りオンリーです。
そこまでしないと辿りつけない場所ってことなんでしょうなぁ、瓶ヶ森は。
車で行けばいいのに。
まぁそうは言っても楽しいわけです。
愛媛県から高知県へ抜ける道なので時折ダンプなど大型車が通りますが、平日早朝ということもあり車通りはほとんどなし。
緑の多い自然の中、路面のきれいな舗装路を走る。
こんな気持ちいいことはそうそうない。
写真とかをパシャパシャ撮ってたらシャーーーッって下ってくるローディ2人。
朝早くからお疲れ様です!w
ここで朝練は気持ちいいだろなぁ。
この次の日が石槌山ヒルクライムレースだったので、それに向けての練習の人だったかもしれん。
でもうちらはのんびり頂上を目指す。
中身パンパンで2kgぐらいになってる大きいサドルバッグも自転車に付けてますしね。
だんだん近づいてくる山頂。
曇っていたかと思ったらいつの間にか晴れ間が出ていたりして本当に変わりやすい山の天気。
なんとかかんとか寒風山トンネルまでたどり着く。
ここを抜ければ高知県。
しかし、瓶ヶ森林道の入り口はこのトンネルじゃなくてもっと上の旧道を登った先の寒風山隧道の高知県側にある。
ちなみにこの寒風山トンネルに着くまでの道にはトンネルが4つありますけども、その4つはどれもトンネル内の片側だけにある自歩道が広く取られておりますので、そこを走るといいと思います。
俺らもそこを走りました。
まぁ車はさほど多くないとはいえ登りですしね。
はい。
ということでここから旧道に入って狭い九十九折の道を行く。
狭い。
これでも対向車とかがまぁまぁ普通に来ます。
3台ぐらいすれ違ったかな?
時々開けて見える景色がすごい。
ぜんぜん魅力を伝えきれない俺の写真でお送りしております。
しかしこの旧道の登りがほんとキツくてね。
キツさレベル:10でしたね。
ここまで30km近く走ってきて補給食もなくなってお腹が減ってきてどうしようもなかった。
唯一あった食べ物が塩タブレットだけという状況。
でもこの塩タブレットがパイン味でことのほかウマかったw
これはオススメかもしれん。
また買っておこう。
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てことでヘロヘロのていで辿り着いた寒風山隧道。
中は明かりもなくて真っ暗。
しかも冷たい風がビュービュー吹いてきてめっちゃ寒い。
リレミトを使いたくなるレベル。
死ぬかとオモタヨ。
開いててよかった。
まだ9時とかだったのでお店も開いたばっかりみたいだったけど。
お腹がペコペコだったので何でもいいから食べさせてくれという感じ。
おなか吹田市はここだったんだな。
まだ揚げたばっかりの温かい手作りコロッケとおでん。
超うまい。
ほんと生き返った。
ツラかったー。この旧道ほんとキツかった。
景色も変わらないし(きれいなんだけど)、淡々と登るしかないから精神的にもめっちゃしんどかった。
でもここがゴールじゃないんだよね―。
まだここから10km以上あります。
気を確かに持って再スタート。
再スタートはいいけどもいきなりまた登りです。
もういいよしつこいよ、という感じ。
でもまぁ景色は雄大でほんと最高なので最高です。
このへんは「いいね〜、いいね〜」いいながら走ってた。
さっきまで見上げていた山の頂きが、いつの間にか自分たちのいる場所と同じ高さになっているのがわかる。
岩をくりぬいトンネル。
これインターネットで見たことあるやつや!
隧道が連続する区間を走る俺。
(水色のジレを着て小さく写ってるやつ)
*
そんな感じでまだかまだか言いながら走ってたら!
やっと着いた!
UFOライン!
ここからでもいいけども上の方から見るともっといい景色だと聞いていたので自転車を置いてちょっと登る。
こんな獣道みたいな道をビンディングシューズで。
登って振り返って目にした景色がこれ。
すごい。
こういうの見ると言葉になりませんね。
ずっと来たかった天空の道、瓶ヶ森林道。
もっと青空があるとよかったんですけどね。
でもこれでも十分堪能できた気がする。
ここで登りは終わりかと思ってたんですけども、もうちっとだけ続くんじゃ的にもうちょっと続く登り。
いい加減秋田。
西黒森を過ぎ、吉野川源流碑を過ぎたあたりから下りが多くなり始め、『山荘しらさ』に到着。
ここでお昼ごはんをいただく。
ビーフカレー大盛り。
うまい。
ちょっと長めの休憩を取って周りを見たりするけども雲の中っぽくてほとんど何も見えんw
あと風がめっちゃ強かった。
まぁあとは下りだけだしそろそろ行きますかという感じで再スタート。
1,600m登ってきて、今日の宿まで1,000m下ります。
やることが極端です。
あとはマジで下るだけ。
基本楽チンです。
気をつけるのは1点だけ。
よさこい茶屋の分岐のところで長沢方面に曲がること。
間違っても石鎚スカイラインの方に下ってしまうと松山とかに行ってしまいますから。
そこだけ注意。
注意なんだけど、この下り道がめっちゃ心細くて不安になった。
車は全然通らないし、県道40号のはずなんだけど標識がまったく出てこないし、人気がなくて猿は出てくるし。
これがただの平坦な道だったらそこまで思わなかったと思うんだけど、いかんせん下りなので「(間違ってたら今来たこれを登り返すのか……)」という不安?恐怖?みたいなのがずっとあって、青い看板で「40」って見た時はホッとしたw
吉野川。
水がめっちゃ綺麗。
県道40号から国道194号に合流したときはホッとした。
山の中だから日没が早いし。
でもここまでくれば大丈夫。
最後の10kmぐらいをユルユル走って17時頃に宿に到着。
お疲れ様でした。
*
この日の宿は「道の駅 木の香」に併設されてる宿泊施設で、木の香温泉に入ってゆっくりできる。
現地に行くまでは(ホントに泊まれんのかよ……)とか思ってたけど、文字通り木の香る建物でなかなか立派なお宿でした。
この日も自転車は室内はダメだったけど屋内に入れてもらえて助かりました。
ありがとうございました。
ホッとひとごこちついて温泉にゆっくりつかる。
露天風呂最高。
風呂あがりのビールも最高。
そしてまたこの日もジャージを洗濯して(コインランドリーがないので手洗い)室内に干す。
Raphaのジャージやビブをこんなに力いっぱい絞って大丈夫なのかと思ったけど大丈夫でした。
ほいでご飯を食べに行ったら入り口にこんな張り紙が。
うそーん、今日通ってきたとこやーん。
心細かった県道40号の下りのとこやーん。
しかも日付見たら先々週ぐらいやし。
けっこう最近やん。
怖いわ。
*
で、この日の食事だったんですけども、なんか小鍋を温める台みたいなのがテーブルの上に用意されたので和食かな―と思って飲み物はとりあえず日本酒にしたんですね。
昨日の石鎚がおいしかったということもあって。
そしたらなんか「前菜でございます」とか言ってイタリアン的な皿が出てきたんです。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工 ってなって、それやったらワインとかスパークリング的なん頼むやん。
言うてよとか思ったけども時すでにおすし。
どんどん洋風なものが出てきます。
仕方がないので遅ればせながらワインを投入。
ボトルは多いのでグラスで。
そしたら次は「アメゴの唐揚げ 中華風」みたいなのが来てワロタw
それやったらビールいくやんけ!!!
ほいでその後は鍋みたいなのが来て「キジ鍋です」やてw
ワロタ。
なんでこの流れでキジ鍋やねんw
でもここでやっと日本酒の出番。
出番があるだけよかったわ。
その後、料理は「軍鶏のクリーム煮」と「焼きおにぎりの何とかスープ」、「自家製ティラミスとなんちゃらのシャーベット」と続いてフィニッシュ。
なかなかの変化球続きで翻弄されましたが料理は全部おいしかったです。
*
食事のあとに外を散策でもしようかと思ったけども真っ暗すぎてやめたw
部屋に戻ってサイコンやらライトやらiPhoneやらを充電して、ビールなどを飲みながらウダウダして床につく。
この日の山岳ステージは本当に朝からキツかったw
美しい朝焼けから始まって、約90kmで2,300mUPというハードなコース、雄大な景色、ちぐはぐな料理となかなかの濃い一日でした。
でも楽しかった。
23時前ぐらいに就寝。
2日目終了。
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