モレスキンとMDノートとロイヒトトゥルム。

普段使いのノートについて今後ずっと使い続けていこうと思えるノートがようやく決まったので、その喜びのテンションとともに何かツラツラと書いてみる。



今まで僕はずっとモレスキンのポケットサイズ方眼をこよなく偏愛してきたんですけども、ここ最近(といっても2〜3年ぐらいですが)そのモレスキンにガッカリしどおしだった。
すなわち紙質の劣化。
劣化自体は以前からずっとあったんだけども。

僕は普段個人的な筆記なんかには万年筆を使うのですが、そのインクがページの裏に抜けないような紙が大好物なわけです。
だけどその点モレスキンというのは完全に不合格クオリティだった。
裏抜けがどうにもひどい。
文字を書いたらページの裏にインクが抜けまくる。
でもそれもこのノートの「味」だと自分に言い聞かせて(あるいは騙して)使い続けてきたわけですけども、いっこうに改良される気配もなく、いい加減嫌になってきた。
スターウォーズパックマンだ星の王子様だスヌーピーだそういう限定商法もいいけれど、いい加減製品そのものの質の向上にも努めてくれ。
お前らが売ってるこのノートはいくらだと思ってるんだ。
なんかそういうのがもうしんどくなってきて。
なので、この半年ほど真面目に移行先を探してたわけです。


僕がノートに求める要素は以下のとおり。

  • 廃番のおそれがあんまりない
  • インクが裏抜けしない
  • 9cm×14cmサイズ
  • 入手のしやすさ
  • 表紙が硬い
  • 方眼
  • ページがほぼ180度にパタンと開く
  • 保管のしやすさ
  • 手頃な価格
  • 表紙と中の紙が同サイズ
  • ゴムバンドがあると尚良し

と、まぁぶっちゃけほとんどモレスキンの特徴なわけなんですけども、そのモレの紙質が劣化した以上この条件を全部とは言わなくても殆どを満たすノートを見つけたい。
でもあんまりないんですよねー。
ノートジプシーの旅は長く険しそうだなーなんて思った。

ちなみにそんなノートにお前はいったい何を書いてるんだと思われるかもしれませんけども、全然大したこと書いてないです。
日次レビューや週次レビューに使ったり、日記的にその日あったことを書いたり、ブログのエントリに書きたいことをメモしたり、気に入った言葉や本の一文を書き写したり。
読み返すつもりとかは全然ないまま書いてるけど、時々読み返すと面白いノートになってたりします。


で、いろんな、本当にいろんなノートを探してみて最終的に移行先の候補として挙げてみたのは次の5つ。


まず文房具屋で実物を見ることができたRHODIA Webnotebook。
紙はよさ気なんだけどもどうにも表紙のフワフワ感が苦手だった。
店頭に置いてあったサンプルがめちゃくちゃ汚れてて、使ってるうちにこういう汚れ方をするのかということを見せつけられて「これはないな」と思った。


次にDesign.Yさんのレコード288。
ハンドメイドなのはいいし紙もトモエリバーなのでその点は不安は少ないんだけれどもいかんせん高すぎる。
常用ノートに1冊5,250円は払えませぬ…。


そしてBRUNNENのNotizbücher。
なんて発音するんですかね。
ノーティツブッチャーとかですかね。たぶん違いますよね。
これも表紙とかゴムバンドの色とかを好きに選べてよさげなんですけどもさすがに入手性が悪い。
オンラインショップも買いにくいよねこれ…。


というわけで残ったのはMDノートとLEUCHTTURM(ロイヒトトゥルムと読みます)。

実を言うとこの2つは以前にどちらも買って試したことはある。
モレから移行しようとして最初に試したのがこの2つだった。
でもこのどちらのノートもインクの裏抜けだの滲みだのが酷くてお話にならなかった。
買ってすぐに試し書きしたんですが腹立って投げ捨てた過去があります。
しかし最近改めてググってみると何か紙質が改良されたらしいとのこと。
ほほぉ…。
ならばもう一度買い直してみようということで買ってきました。

まずはMDノート。

このノートの方眼は独特。
方眼というよりも「凵」が連なって印刷されてるような感じ。
原稿用紙っぽくもある。


そしてクリーム色の紙も目に優しいし糸かがり綴じでフラットに開くのも嬉しい。
文庫サイズで630円というお手頃価格もありがたい。
表紙もハードカバーではないけれどもそこそこ硬い。

紙質も以前はインクがダダ抜けだったのが、現行のは全然抜けない。
すごい。
ただ逆に万年筆で書くと描線が細くなるのが個人的にはちょっと苦手。
手持ちのもので一番インクフローの良いペンで書いても細くなる。
フローの良いペンでインクをスッと紙に乗せるのが気持ちいいのに何か詰まったような筆記感になる。
まぁこれは各人の好みということになるんでしょうが、個人的にはちょっとストレスかなぁという感じ。
でもそこも慣れかなと思って使い始めることにしました。

今年2013年はMDノートが発売されて5周年ということで、限定アイテムが出ていたのでそれも一緒に。


倉敷帆布ノートカバー。
でも帆布だから汚れるんだろなーと思ったら案の定汚れた。


で、仕方ないので洗濯しようかと思ったら、こんなこと書かれててびっくりした。

洗濯をすると縮み、ノートが入らなくなります。

「入りにくくなります」でも「入らなくなる恐れがあります」でもなく、「入らなくなります」(断言)。
ナメてんのかw

なのでもう思い切って革のカバーを買うことにした。
やっぱりずっと使い続けるなら革とかがいいじゃないですか。
しかもヌメ革って経年変化があるからそういう部分でも楽しめる。

というわけで革カバー。



かっこいい。
けど白い…。
触れるのも緊張するほどの白さ。
しかもヌメなので水濡れにも神経質になってしまう。

最初の2日ほどだけ日焼けのために屋外に置いて太陽光に当ててみましたけれども、さすがに冬の太陽ではそれほど焼けることもなく。
まぁいいやということでさっさとノートに装着して使い始めた。


なかなかの触り心地。
今後が楽しみではあります。
これでカバーがいい感じに飴色になってカッコ良くなったらもう言うことないな。
ゴムバンドはないけどお手頃価格だし、たいていどこでも売ってるし紙質も良い。
もうMDノートが優勝。
と、ここまではそう思ってた。
ロイヒトトゥルムがamazonから届くまでは。



20131226210102
基本は黒のカバーなんだけど限定のネイビーがあったので購入してみた。



DOTTED。
ドットドゥ。



1ページ目には名前とアドレスを書く欄が。
前はこんなのなかった気がするけど気のせいか。
モレスキンの「 As a reward: $ ____________ 」の欄と同じ感じですかね。



ポケットもある。



ページのドットは色も薄くあまり目障りにならない程度にプリントされている。


で、肝心の裏抜け具合。
試したインクは、

・Waterman Blue Black
・Pelikan Blue Black
・Pilot 色彩雫 月夜
・Sailor 丸善日本橋店限定 鳩羽鼠
・Platinum Blue Black
・Sailor インク工房謹製 AOQLO(俺オリジナル)
・Montblanc Bordeaux
・Montblanc Racing Green
・Private Reserve Midnight Blues
・R&K Salix

結果↓

お見事。
これはすごい。
PRのMidnight Bluesだけはガラスペンにつけて書いたので紙に置いたインクの量も多かったですし、そもそもPRは、まぁ、ねぇ…。
推して知るべしというかだいたいどんな紙でも抜けますしおすし。
ここには映ってないけど、抜けやすいモンブランの黒をPelikan M800のBBニブで書いても大丈夫だった。
実に頼もしい。

製本は4つ綴じ6折丁というなんだか微妙なつくり。
パタンと開かずにグッと押さえないとページが開きにくいですけどもこのクオリティなら全然おkです。
スピン(栞ひも)は前に買った時はペラペラのちゃちいリボンみたいな感じだったんですけども今回のはしっかりとしたもの。
ゴムバンドも以前のはヒョロヒョロで頼りなかったけど、これもしっかり改良されてる。
1,470円という値段もちょうどいい。
ただ一点、触ってみた感じ背割れがしないかどうかだけがちょっと心配。
なんか弱そう。
まぁそんなにハードには酷使しないので大丈夫かとは思いますが。
入手しやすいかどうかというとまぁあんまり地元の文房具屋とかには置いてなかったりしますけれどもamazonで買えますしね。
1917年創業ということで廃番のおそれもほとんどないと考えていいと思う。


というわけで今のところロイヒトトゥルムがほぼ満点。優勝。
MDノート使い続けようと思ってましたけどこれからはロイヒトでいきます。
気持よく新年を迎えられそう。
さようならモレスキン



【おまけ】
Appleの本社だけで売ってるノート。
おみやげにもらったんですけども未だに勿体なくて使えませんw


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