四十八茶百鼠

しじゅうはっちゃひゃくねず。
江戸時代、幕府からの「お前らあんま贅沢すんなよな」という度重なる奢侈禁止令により、江戸っ子たちは華美な服装を避けるようになり、藍色、茶色、鼠色がおしゃれコーデとなって流行ってたそうだ。地味めな色こそが江戸のトレンド。
しかしそういった制約がある中でこそ文化というものは花開くのかもしれない。江戸の町人たちは茶色や鼠色といった暗い色のなかに繊細微妙なこだわりを取り入れることにより「四十八茶百鼠」と言われるほどの多様な色を生み出した。

江戸茶(えどちゃ)
芝翫茶(しかんちゃ)
団十郎茶(だんじゅうろうちゃ)
利休茶(りきゅうちゃ)
璃寛茶(りかんちゃ)
鶯茶(うぐいすちゃ)
千歳茶(せんさいちゃ)
枇杷茶(びわちゃ)
利休鼠(りきゅうねずみ)
江戸鼠(えどねず)
茶鼠(ちゃねず)
濃鼠(こいねず)
鳩羽鼠(はとばねず)
錆鼠(さびねず)
藍鼠(あいねず)
紺鼠(こんねず)

マニアックすぎる。それぞれちゃんと違いを把握できてたのかあやしいもんだ。言うたもん勝ちちゃうんかw
しかし日本人てこういうとこが変態的だなといつも思う。微妙な違いを競い合ったりしたんだろうな。

で、何の話かというと、今日NAGASAWA 梅田茶屋町店でセーラーのインク工房がありまして、そこでオリジナルのインクを作ってきたんスよって話。




▲「紺鼠」という色を作ってもらいました。


▲いい色。

「紺鼠」というのは日本の伝統的な色で、灰色がかった薄い紺色。明るいブルーブラックっぽい色に見えるけれどもグレーに寄った落ち着いた紺。ペン先から流れ出たインクが紙に乗った瞬間は明るいですけど乾くといい感じ。水分を飛ばして濃縮させたりするとさらにいい色になりそう。ちょっとこの写真ではわかりにくいですね。
インク工房で作ってもらったインクにはそれぞれ製品ナンバーが振られており、それをセーラー本社に伝えて注文するといつでも誰でも2,100円+送料を払えば作ってもらえます。注文したことないけど。
この紺鼠のナンバーは「120218057」。このナンバーのリストを一度見てみたい。
次大阪に来るのは3月25日の高島屋らしい。