二川孝広は僕のアイドルだった。

公式のリリースも出たし、さて何かしらエントリを書こうかなとエディタを開いてふと頭に浮かんだ表題のフレーズを冷めた気持ちでキーボードにパタパタと打ったらその瞬間に涙が溢れてきて仕方ないんですけども。

…………。


なんかこんな夜に感情的な気持ちのまま文章を書き始めるときっとポエミーな感じになって翌朝になって恥ずかしい思いをしそうなのであれなんですけども、とりあえず何か書いておきたいので書いてみる。


とにかくショッキングな一日でした。
朝起きてTwitter覗いたら最初に目に飛び込んできたニュースがこれでしたから。

ガンバサポで二川孝広を嫌いな人はたぶんあんまりいないと思うんですよ。
フタを好きな人ってほとんど「僕が/私がフタのことを一番愛してる」と思ってそう。
かくいう僕もその一人で、俺以上にフタのことを好きな奴はたぶんいないだろうと結構な自信を持って言えたりする。

「ガンバらしいサッカー」という言葉を凝縮して人の形にしたらたぶん二川孝広が出来上がると思うんですよ。
それをまさに体現してたのがガンバ大阪の背番号10だったと思う。
バンディエラ
だからこそみんなに愛されたし、ずっとそのプレーを見たいと思わせる選手だった。

超絶に上手いトラップ。
そこに出すかと観てるこちらの予想を気持ちよく裏切るパス。
時折見せる大胆なミドルシュート
ボールを奪われると少し俯きながら懸命にダッシュするその姿。

青黒のユニフォームを着たフタのそういうプレーがもう見れないのかと思うとすごく寂しい。
すごく悲しい。

さすがに運動量は落ちてきたとは言え、それ以外の部分ではまだ全然いけると思うし違いを作り出せる選手だと思ってる。
贔屓目だけど。
使い方次第では超活躍すると思うんだ。
なので新スタ元年の今年にトップでろくに試されることなく戦力外の扱いをされたというのがすごく悲しいし悔しい。
もっと俺のフタを一回使ってみてくれよという気持ちが胸にわだかまってる。
何とかならなかったんだろうか。
何とかならなかったんだろうか。

まぁ選手起用のあれこれは監督の専権事項ですしねと自分を納得させてるけども。


やっぱこう何というかあのへんの世代のガンバの選手って特別なんですよね。
もちろん今の若手にも期待してるしトップでやってる選手も応援してますけども、ガンバがクッソ弱かった頃に上野山さんの舵取りの元、ユース出身の選手たちがぼちぼちとトップに上がってきてそこそこ結果が出始めたぐらいのあの頃の選手たち。
2000年前後ぐらいか。
宮本もそうだし新井場とか大黒とか橋本とか。そして二川孝広も。
希望の星だった。
いつもタイトルから遠かったガンバの未来に想いを馳せた時に「この選手たちなら…」って心の底から思えたんですよ。
そして実際その通りになってきて、今がある。


フタがガンバを去るときには濁りのない、透明感のあるすっきりとした心持ちで送り出せると勝手に思ってた。
現役生活の最後の瞬間を、新スタで、泣いてるのか笑ってるのかわからないような顔をしながら拍手を送ってサヨナラできると思ってた。


おそらく今のフタは単年契約だからレンタル期間が終了したらガンバとの契約更新はないのだろう。
そのあとはそのままヴェルディの選手になるか、他のチームに移籍するか、トライアウトに参加するか。
ゆくゆくはガンバのスタッフには戻ってきてくれるとは思うけども、クラブにはもうちょっと別れの挨拶をできる場を用意して欲しかった。


プロの選手なら出場機会を求めて当たり前、浪花節ですむ世界じゃないというのは頭では理解している。
一人の選手に未練がましくするよりも今そこにあるチームを応援すべしというのもわかる。
J1のチームからオファーがないというのはそういうこと。

でもそんなことは知らん。
それとこれとは別。
そんな話はしていない。
俺は青黒のフタが好きなのよ。
フタのプレーが大好きだしずっとガンバにいて欲しいと今でも思ってる。
二川孝広は俺のアイドルだから。

すごく寂しい。