新監督について。

長らく続いた西野時代が終わり、ガンバ大阪は10年ぶりの新監督選び。この感覚懐かしい。もう忘れかけてたけど。
その新監督の候補として呂比須ワグナーの名前が挙がって2週間ほど。クラブは12月20日までには発表したいとのことだが、いまだに何の音沙汰もない。
音沙汰どころか今日にはこんなニュースが。

  G大阪の来季監督に内定している元日本代表FW呂比須ワグナー氏(42)の就任に、日本サッカー協会(JFA)から“待った”がかかった。JFAの外国人指導者資格審査で、ブラジルでの指導実績の少なさなどが、問題視されていることが13日、判明。審議は継続中でG大阪は問題視していないが、新監督誕生は審査の結果次第となった。

呂比須監督に待った!協会「S級ライセンス相当」実績認めず…G大阪:Jリーグ:サッカー:スポーツ報知

まぁライセンス自体はたぶん大丈夫だろうけども、今になってどうしてこんなグダグダなのか。契約交渉をする前に協会に確認などはしなかったのか。はなはだ疑問だ。
まぁそれはいいとして、ちょっと新監督候補が呂比須だということについて、今のところ個人的に思っていることを書いておこうと思う。あとで見返すためにも。


まず流れとしては、ガンバ大阪の場合、監督との来季の契約がどうなるかというニュースは毎年だいたい10月頃には流れてきていたんだけれども、今年は11月になってもそういう報道もなく、しびれを切らしたかのように西野監督側から話題に乗せた。マスコミからの質問があったにせよ。
今考えてみるとおそらくもうこの時点で強化部は呂比須と接触し、交渉を始めていたはずで、そういう考えならばまず最初にクラブの功労者たる西野にその旨を伝えておくべきだし、マレーシア出張からいそいそと帰ってきた社長が急遽会談の場を持って伝えるようなことじゃないと思うのだ。
ちょっと失礼だよね。
まぁそれはいいとして。

その後、呂比須ワグナーの名前が取り沙汰されるようになるのだが、どうしても拭えないのがなぜ西野を切って呂比須なのか?ということ。
別に呂比須の監督としての手腕にケチを付けるつもりはない。実際どれほどのものなのか知らないし。
しかし監督歴2〜3年の無名(と言っていいと思う)の監督にガンバ大阪を託すというギャンブルをする理由は何なのか。そこがどうしても理解に苦しむところ。同じ実績のなさならまだ松波を監督に昇格させた方が遥かに納得感がある。

もちろん経験は浅くとも成功する監督というのは存在する。
グァルディオラは2年間バルサのBチームを指揮したあとトップチームの監督となり就任1年目にして3冠を達成したし、ピクシーも監督歴もないまま名古屋の監督に就任しご覧の通り。かのヨハン・クライフは現役引退の翌年にライセンスがないままテクニカル・ディレクターとしてアヤックスを指揮し、3年後にカップウィナーズカップで優勝した。
しかしこういう例は稀なのである。
もう一度言っとくけども、別に呂比須の手腕についてケチを付けるつもりはないし、ぶっちゃけそこはどうでもいい。どうでもいいと言うと語弊があるが、問題にしたいのはそこではないのである。
Jリーグで毎年のように優勝争いをするガンバ大阪というチームにおいて、戦力を下げることなく世代交代を進めるという困難極まるミッションに挑むにあたって、なぜギャンブルを冒すような監督選びをするのかというただその一点なのである。情熱とか人格とかそんな戯言は聞きたくない。その「なぜ」の部分がどうしても分からないのだ。何も考えてないということはないだろうし。
いきなり現れてすべての問題をたちどころに解決しつつタイトルも獲得し、見せてくれるサッカーも面白いなんて監督は宇宙中を探してもそんなにいないというのは分かってる。分かってるけどももうちょっと何とかならなかったか。
万感の思いを込めて「他にもいるだろうに……」と言いたい。
7,8回言いたい。
ガンバが目標が1ケタ順位とか賞金圏内とかのチームならまだわかるんだけれどもな。


まぁでもそれで決めるというのならば仕方ない。日本のJリーグは民主主義でものごとが決まるのではないのだし、サポーターはピッチの外から応援することしかできないのだ。
どうか来年の12月にはみんなと笑いあって「杞憂だったねー」とか「これなら2年後楽しみだね」とか言えるような2012年シーズンになってますように。
頼みますよホントに。